◆緊急帝王切開を経過から予測
この研究は、参加施設で妊娠20週から出産予定日までの間に性器出血と前置胎盤が見られた女性250人を対象としました。出産までの経過のうちで見られた出来事と、緊急帝王切開が必要とされたかどうかの関連を調べることによって、緊急帝王切開を予測する要因を探しました。
◆4項目のスコアで予測
統計解析の結果、次の4項目から成るスコアが作られました。
- 全前置胎盤または部分前置胎盤:4点
- 分娩前の出血が3回以上:3点
- 妊娠29週より前の出血:3点
- 中等度から重度の分娩前の出血:1点
これらの合計が6点以上のとき、解析に使った以外の集団に当てはめて緊急帝王切開を予測すると、実際に緊急帝王切開が必要になったケースの95%を言い当てるとともに、緊急帝王切開が必要にならなかったケースの62%では正しく不要の予測ができていました。
信頼度の高い予測ができれば、人手や設備に限りがある状況でも、緊急事態に備えた体制を調える役に立つかもしれません。
執筆者
A score to predict the risk of emergency caesarean delivery in women with antepartum bleeding and placenta praevia.
Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2015 Oct 28 [Epub ahead of print]
[PMID: 26550944]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。