◆ルラシドンで治療を行う群と偽薬群にランダムに振り分け
ルラシドンは抗精神病薬のひとつで、海外の一部の国では統合失調症や双極性障害の治療薬として承認されています。
今回の研究では、大うつ病を発症し、躁症状も伴う患者209人を、ルラシドン(1日20-60mg)で治療する群と偽薬群にランダムに分け、効果を検証しました。
◆ルラシドンで治療した群ではうつ症状が改善
以下の結果が得られました。
ルラシドン群では、6週時点でのMontgomery-Åsberg Depression Rating Scaleスコア(偽薬群-13.0に対して介入群-20.5、効果量0.80)、Clinical Global Impressions severity subscaleスコア(偽薬群-1.2に対して-1.8、効果量0.60)の最小二乗平均変化量で評価したうつ症状や全体での疾患重症度が有意に改善した。 副作用による脱落率は低かった。
ルラシドンを飲んだ群では、うつ症状がより改善しました。また、躁症状への効果も認められました。副作用による脱落は少ないという結果でした。
この薬は日本において未承認ですが、うつ病と躁症状を発症している人を対象とした研究は現在も進んでいます。結果によっては、今後の治療選択肢に加わるかもしれません。
執筆者
Lurasidone for the Treatment of Major Depressive Disorder With Mixed Features: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study.
Am J Psychiatry. 2015 Nov 10
[PMID: 26552942]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。