◆患者の特徴を集計
たこつぼ型心筋症は突然の胸痛で見つかり、心電図などの検査では心筋梗塞と似た特徴がありますが、超音波検査などの画像が見分ける役に立つと言われています。
突然死の原因になりやすい心筋梗塞とは違い、手術やカテーテル治療をしなくても症状が治まる場合が多いと言われています。
この研究は、ヨーロッパとアメリカのたこつぼ型心筋症の患者のデータを集め、急性冠症候群(心筋梗塞など)の患者と比較することで、たこつぼ型心筋症の特徴を調べました。
◆神経・精神、心血管系との関連
次の結果が得られました。
たこつぼ型心筋症の患者1,750人のうち、89.8%が女性だった(平均年齢は66.8歳)。
たこつぼ型心筋症の患者のうちでは、急性冠症候群の患者に比べて、神経学的または精神医学的障害の率が高く(55.8% vs 25.7%、P<0.001)、平均の左室駆出率は目立って低かった(40.7±11.2% vs 51.5±12.3%、P<0.001)。
長期フォローアップの間に、主要な心臓および脳血管のイベントの発生率は人年あたり9.9%であり、死亡率は人年あたり5.6%だった。
たこつぼ型心筋症の患者は90%近くが女性で、平均年齢はおよそ67歳でした。神経の異常や精神の問題をともなっている場合が半数以上であり、心臓の運動が小さい傾向がありました。
たこつぼ型心筋症の発症後、心筋梗塞や脳卒中などが年間10%近い率で発生していました。
たこつぼ型心筋症の原因は正確にはわかっていませんが、典型的な経過の情報があることで、正しく診断し、長期的に注意するべき点を考える役に立つかもしれません。
執筆者
Clinical Features and Outcomes of Takotsubo (Stress) Cardiomyopathy.
N Engl J Med. 2015 Sep 3
[PMID: 26332547]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。