◆ケースコントロール研究により検証
研究には、研究施設に集積された678人のbvFTD患者のデータが用いられました。外傷性脳損傷に伴う意識消失がおこってから1年以内のbvFTDを調べ、TBIの有無とbvFTD診断の発症時期と年齢の違いについて、共分散分析を用いた検討が行われました。
◆外傷性脳挫傷は前頭側頭葉認知症を早期に発症させる!?
研究の結果、bvFTDをもつ人のうち、以前に外傷性脳損傷がある人は、ない人に比べて2.8年早く症状が始まり、3.2年早く診断されていたこと(p<0.01)がわかりました。
今回の研究から、脳挫傷が認知症を引き起こすメカニズムは明らかとなってはいませんが、強い衝撃が何らかの影響を及ぼしかねないという可能性が示唆されました。認知症予防の中で、外傷を防ぐことの意義について考えてもよいのかもしれません。
執筆者
Traumatic brain injury history is associated with earlier age of onset of frontotemporal dementia.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015
[PMID: 26359171]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。