◆肥満傾向の女性が食前にMSG入りの野菜スープを飲む
この研究は、BMI(体重÷身長の2乗)が25以上の過体重または肥満にあたる女性を対象としました。68人の対象者は、昼食の10分前にMSGを加えた野菜スープを飲む群と、MSGを加えない野菜スープを飲む群にランダムに分けられ、昼食で食べたもののエネルギー量を比較されました。また、グループ分けを逆にして同じ内容の試験を行いました。
◆エネルギー摂取量が少なくなった
次の結果が得られました。
MSGを加えたスープの群では、対照群と比べて、昼食でのエネルギー摂取量が有意に少なかった。
MSGを加えたスープを飲んだときに、昼食で食べるもののエネルギー量が少なくなりました。
グルタミン酸ナトリウムに、食べる量を少なくする効果があるのかもしれません。
グルタミン酸ナトリウムは一時「チャイニーズ・レストラン・シンドローム」という頭痛などの症状を起こすのではないかと議論されたことがありますが、そのような症状の原因になるとは証明されていません。
グルタミン酸はコンブなどの食品にも多く含まれ、人間の体内でも合成されている、ありふれたアミノ酸です。ナトリウムは食塩など多くの食品に含まれています。グルタミン酸ナトリウムの過剰摂取が害にならないとも言い切れませんが、害を極端に恐れるのではなく、良い面にも目を向けてよいかもしれません。
執筆者
Monosodium l-glutamate in soup reduces subsequent energy intake from high-fat savoury food in overweight and obese women.
Br J Nutr. 2015 Oct 12 [Epub ahead of print]
[PMID: 26455957]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。