◆握力と1年以内のうつ症状の発症の関連性を検証
今回の研究は、福島県会津地方で行われた調査研究に参加した40歳から79歳の4,314人を対象に行われました。
握力を測定し、その後1年間の追跡調査によりうつ症状の発症と関連性があるか検証しました。
◆握力の低さとうつ症状の発症に関連あり
以下の結果が得られました。
[...]、握力がより低いと(1標準偏差下がるごとに)、1年後のうつ症状への経時的進行と関連していた(調整済みオッズ比1.13、95%信頼区間1.01-1.27、p=0.036)。
握力が低いと、1年後の時点でうつ症状が発症している可能性が高くなるという結果でした。また、握力測定の時点においても握力とうつ症状は関連していました。
握力は、一時点においても、長期的に見てもうつ症状と関連していました。なぜ握力がうつ症状と関連しているかという点については今回の研究からは不明ですが、うつ症状がどのような人に起こりやすいかといったことは心に留めておく必要があるかもしれません。
執筆者
Association between hand-grip strength and depressive symptoms: Locomotive Syndrome and Health Outcomes in Aizu Cohort Study (LOHAS).
Age Ageing. 2015 Jul
[PMID: 25712514]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。