2015.10.28 | ニュース

高齢者のひとり食事と独居は何に悪いか?

日本の研究チームが82,364人を分析

from Appetite

高齢者のひとり食事と独居は何に悪いか? の写真

近年、独居老人が増え社会問題にもなっています。今回の研究は、独居やひとりで食事をすることが、どのような健康悪化と関連しているか検証しました。

◆高齢者のひとり食事、独居、その組み合わせと健康状態の関連性を検証

今回の研究では、2010年に日本で行われた研究に参加した65歳以上の高齢者82,364人を対象に調査しました。

ひとりで食事をしている人、独居の人、またそのどちらも当てはまる人と、肥満や痩せといった健康状態の関連性を検証しました。

 

◆高齢者のひとり食事、独居は肥満や痩せに関連する

以下の結果が得られました。

他の人と食事をし、一緒に住んでいる人と比べて、必ず一人で食事をしている男性で肥満(BMIが30kg/m2以上)である調整済み割合比は、独居の人で1.34(95%信頼区間1.01-1.78)、独居ではない人で1.17(95%信頼区間0.84-1.64)であった。

独居であってもなくても、必ず一人で食事をしている男性は、一人で食事をしていない人よりも、体重が少ない(BMIが18.5kg/m2未満)傾向であった。

一人で食事をしていて独居であると、肥満である可能性が高いという結果でした。また、独居であってもなくても一人で食事をしていると、一人で食事をしていない人よりも正常範囲を下回って痩せている人も多い傾向でした。

 

独居高齢者の栄養状態は、食事のときに一人で食べているか、食べていないかでも異なることがわかりました。高齢社会では、このような状況は多く見られます。健康状態を考えるうえでも、例えば市町村が提供している交流会などで一緒にご飯を食べたりすることが改善につながるかどうか、検討が有用かもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Combined effects of eating alone and living alone on unhealthy dietary behaviors, obesity and underweight in older Japanese adults: Results of the JAGES.

Appetite. 2015 Dec 1

[PMID: 26116391]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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