◆TEV-48125の有効性を検証
TEV-48125は、血管を拡張することで片頭痛に関係すると言われているカルシトニン遺伝子関連ペプチドの抗体です。今回の研究では、このTEV-48125が片頭痛を抑える効果があるか検証しました。
慢性的な片頭痛を持つ264人をプラセボ群、675/225mgのTEV-48125群、900mgのTEV-48125群にランダムに分けました。
治療は、28日間を1サイクルとして計3サイクル実施しました。675/225mg群では、初めのサイクルで675mgを、残りの2サイクルで225mgずつのTEV-48125を注射しました。900mg群では、3サイクルともに900mgのTEV-48125を注射しました。
◆TEV-48125で片頭痛の時間が減る
以下の結果が得られました。
プラセボ群と675/225mg用量群の頭痛時間の減少に関する最小2乗平均差は、-22.74時間(95%信頼区間-44.28から-1.21、p=0.0386)であった一方、プラセボ群と900mg用量群では-30.41時間(95%信頼区間-51.88から-8.95、p=0.0057)であった。
有害事象は、プラセボ群で36人(40%)、675/225mg用量群で47(53%)、900mg用量群で41(47%)で報告された一方、治療に関連した有害事象はそれぞれ15人(17%)、25人(29%)、28(32%)であった。
TEV-48125を皮下注射すると、片頭痛の時間が4週間のうち20時間から30時間程度減少するという結果でした。
副作用の可能性がある、注射した場所の痛みやかゆみの症状などが、675/225mg群の29%、900mg群の32%に起こりました。
片頭痛が起こると、痛みだけではなく、吐き気やめまいも出るため、重症な時では仕事を休んだり一日中寝ていなければならないといったこともあります。片頭痛外来を行っている病院もありますので、頭痛がひどい場合は掛かると良いかもしれません。こうした研究を経て現在使われている薬が、必要に応じて処方されます。
執筆者
Safety, tolerability, and efficacy of TEV-48125 for preventive treatment of chronic migraine: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2b study.
Lancet Neurol. 2015 Sep 29
[PMID: 26432181]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。