◆冷却療法と運動療法の組み合わせの有効性を検証
今回の研究は、ACLの手術を行った患者30人を、冷却療法を行う群、運動療法を行う群、冷却療法と運動療法を行う群の計3群にランダムに分けました。
冷却療法を行う群では、膝の前後面にアイスバッグを20分当てました。運動療法を行う群では、およそ1時間でストレッチや従来のトレーニング方法を実施しました。両方を行う群では、冷却療法後に運動療法を行いました。
◆冷却療法と運動療法を組み合わせると、膝の機能が改善
以下の結果が得られました。
2週間の介入後、冷却療法直後にリハビリテーションで運動療法を行った患者(p=.002、Cohenのd=1.4)は、冷却療法を単独で行った患者(p=.16、Cohenのd=0.58)と運動療法を単独で行った患者(p=.16、Cohenのd=0.30)よりも、標準化した等尺性の随意収縮最大トルクがより高かった。
ACLの再建手術後に冷却療法と運動療法を行うと、より膝の力を発揮することができるという結果でした。
スポーツ選手、特にサッカーやバスケットボールの選手では、膝の靭帯損傷が起きる危険性が高いことが知られています。スポーツへの早期復帰を考えた場合、このような選択肢も頭の隅に置いておくと良いかもしれません。
執筆者
Quadriceps muscle function after rehabilitation with cryotherapy in patients with anterior cruciate ligament reconstruction.
J Athl Train. 2014 Nov-Dec
[PMID: 25299442]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。