◆インフルエンザワクチンの接種回数と感染率の関係を検証
今回の研究は、6ヶ月から21ヶ月までの幼児5,193人を対象に行われました。
2003年から2004年にインフルエンザ様の症状があり、肺炎またはインフルエンザの診断を受けた幼児が、受診からさかのぼって14日より前に予防接種を何回(0回、1回、2回)受けたか調査しました。
◆ワクチンを2回接種すると予防効果が大きいかもしれない
以下の結果が得られました。
UVに対するFVのハザード比は、ILIで0.31(95%信頼区間0.3-0.4)、肺炎/インフルエンザで0.13(95%信頼区間0.1-0.2)であり、ワクチン全体の効果(1-ハザード比×100)はILIで69%、肺炎/インフルエンザで87%であった。
UVに対するPVの包括的なハザード比は1.0(95%信頼区間0.9-1.2)と1.1(95%信頼区間0.8-1.5)であった。
ワクチンを打たない幼児に対して、ワクチンを2回打った幼児は、インフルエンザ様症状の予防効果が69%、肺炎/インフルエンザ予防効果が87%でした。
ワクチンの接種が1回では、その効果は見られないという結果でした。 インフルエンザワクチンの予防接種では、幼児を対象にした場合、1回では効果がなく2回打つと効果があるという結果でした。成人では1回打つ場合が多いですが、子どもには、ここでも示されているような根拠から、2回接種が勧められています。
執筆者
Influenza vaccine effectiveness in healthy 6- to 21-month-old children during the 2003-2004 season.
J Pediatr. 2006 Dec
[PMID: 17137887]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。