◆進行腎細胞がんに対する効果をエベロリムスと比較
この研究では、進行した腎細胞がんがあり、ほかの抗がん剤治療を受けたことのある人が対象となりました。対象者821人はニボルマブの治療を受けるか、違う種類の薬であるエベロリムスの治療を受けるかにランダムに分けられ、生存期間などを比較されました。
◆ニボルマブで生存期間延長
次の結果が得られました。
全生存期間の中央値はニボルマブ群で25.0か月(95%信頼区間21.8から上限推定不能)、エベロリムス群で19.6か月(95%信頼区間17.6-23.1)だった。
グレード3または4の治療関連有害事象はニボルマブを使用した患者の19%、エベロリムスを使用した患者の37%に起こった。ニボルマブ群で最も頻繁に見られたのは疲労(患者の2%)であり、エベロリムス群では貧血(8%)だった。
エベロリムスを使ったグループよりも、ニボルマブを使ったグループで生存期間が長くなっていました。ニボルマブを使った人に、副作用と見られる疲労などが報告されました。
進行したがんの治療法は限られています。よりよい治療法を探るうえで、この結果がひとつの材料になるかもしれません。
【2016/8/29追記】オプジーボ®は日本で2016年8月に、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」の効能・効果を追加承認されました。
執筆者
Nivolumab versus Everolimus in Advanced Renal-Cell Carcinoma.
N Engl J Med. 2015 Sep 25 [Epub ahead of print]
[PMID: 26406148]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。