2015.10.01 | ニュース

大腸がんと肥満の関係は?

ハーバード大学が173,230人を分析

from International journal of epidemiology

大腸がんと肥満の関係は? の写真

大腸がんの原因のひとつとして肥満が考えられています。今回の研究では、大腸がんと肥満の関係について、体格の長期的な変化に注目して検証しました。

◆大腸がんと肥満の関係を20年以上追跡調査

今回の研究は、アメリカで行われた大規模健康調査2件のデータベースを用いて、173,230人を対象としました。大腸がんの発症と10年間のウエスト・ヒップの周径変化の関係を検証しました。

 

◆男性では、10cm以上ウエストが太くなると大腸がんになるリスクが1.5倍に

以下の結果が得られました。

10年間で増えたウエスト周径は、男性(pトレンド=0.03)の結腸直腸がんリスクと正の関連があったが、女性ではなかった(pトレンド=0.34)。

ウエスト周径を維持した男性と比較して、ウエスト周径が10cm以上増えた男性は、結腸直腸がんのリスクがより高く、多変量調整ハザード比は1.59(95%信頼区間1.01-2.49)であった。

男性では、ウエスト周径が10年間で10cm以上増えると、大腸がんを発症する危険性が1.5倍程度に増えるという結果でした。

 

ウエストが増えると大腸がんを発症する危険性が増えるという背景には、食生活や運動習慣など様々な要因が関連している可能性があります。例えば、飲酒や食べ物の種類と大腸がんの関連が指摘されています。

そのため、この結果からウエストを細くすれば大腸がんの発症を防げるとは言えませんが、そのような関係があるかもしれないということは心に留めておいてもよいかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Long-term status and change of body fat distribution, and risk of colorectal cancer: a prospective cohort study.

Int J Epidemiol. 2015 Sep 24

[PMID: 26403814]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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