◆認知トレーニング群と対照群にランダムに振り分け
パーキンソン病患者42人を認知トレーニング群と対照群にランダムに分けました。
認知トレーニングでは、REHACOPと呼ばれる言語機能、注意機能、記憶機能などの認知機能のトレーニングをそれぞれ数週間ずつ、1週間に3日間のペースで実施し、その効果を検証しました。
◆認知トレーニングを行うと処理速度や記憶が改善
以下の結果が得られました。
ブートストラップ法による分散分析の結果により、REHACOP群と対照群の間でスコアの平均変化量について有意差が示されたのは、処理速度(0.13[SE=0.07] vs -0.15[SE=0.09]、p=0.025)、視覚記憶(0.10[SE=0.10] vs -0.24[SE=0.09]、p=0.011)、心の理論(1.00[SE=0.37] vs -0.27[SE=0.29]、p=0.013)、機能障害(−5.15[SE=1.35] vs 0.53[SE=1.49]、p=0.012)であった。
認知トレーニングを行うと、課題の処理速度や視覚記憶といった認知機能がより改善しました。
筆者らは、「これらの知見は、認知トレーニングをパーキンソン病患者の標準的なケアに取り入れることを支持する」と結論付けています。
パーキンソン病で認知機能が低い場合には死亡率が高くなるといった報告も見られ、認知機能を改善する治療法があれば有用です。今回の研究のように、様々な認知トレーニングを組み合わせる方法が今後さらに検証されるかもしれません。
執筆者
Improving functional disability and cognition in Parkinson disease: randomized controlled trial.
Neurology. 2014 Dec 2
[PMID: 25361785]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。