◆毎日40分の屋外授業
研究班は、12の小学校で1年生の子どもを対象として、屋外の活動を促すグループ(介入群)と、ふだん通りの活動をさせるグループ(対照群)に学校ごとに分けました。
介入群の学校では、授業がある日ごとに40分の屋外活動の授業を行うこととし、保護者にも子どもと一緒に放課後や休日に屋外活動をすることを呼びかけました。
◆屋外活動で近視が少なく
次の結果が得られました。
介入群に952人の子ども、対照群に951人の子どもが割り付けられ、年齢は平均6.6歳、標準偏差0.34だった。近視の累積発症率は、介入群で30.4%(853人の適格参加者のうちで259件の新規発症)、対照群で39.5%(726人の適格参加者のうちで287件の新規発症)だった(差は-9.1%、95%信頼区間-14.1%から-4.1%、P<0.001)。
研究開始時に近視ではなかった子どもが新たに近視になる率は、屋外の活動を促したグループで少なくなっていました。
屋外で活動することが、やはり近視にはよい影響があったのかもしれません。ただし、方法や対象者の年齢によって違う結果が出る可能性も考えられるため、近視を予防する効果はこの結果だけで断定はできません。
屋外で活動すれば運動量が多くなることも予想され、この結果は子どもに屋外で活動させることの良い面に加えて考えることができるかもしれません。
執筆者
Effect of Time Spent Outdoors at School on the Development of Myopia Among Children in China: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2015 Sept 15
[PMID: 26372583 ] http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2441261※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。