2015.09.12 | ニュース

コアトレーニングが腰痛を改善する効果は?

ランダム化比較試験により検証

from Clinical rehabilitation

コアトレーニングが腰痛を改善する効果は?の写真

年代を問わず多くの人が抱える腰痛。腰痛を軽減するために様々な方法が試みられていますが、その治療は未だ確立されていません。今回、明らかな原因が特定されない慢性腰痛をもつ患者に対し、コアトレーニングの効果を調べる研究が行われました。

◆腰痛患者に対し、コアトレーニングの効果を検証

コアトレーニングとは、体の中心部、いわゆる体幹を鍛えるトレーニングです。

研究グループは、新しく工夫が加えられたコアトレーニングのメニューを使って、腰痛患者に対するコアトレーニングの効果を調べました。対象は、スポーツリハビリテーションクリニックに通う慢性腰痛患者40人でした。

対象者をランダムに2つのグループに分け、一方のグループのみに、コアトレーニング(仰向けでお腹をへこませながら、つま先をあげる運動)を行いました。両グループとも、通常の理学療法を週3回、8週にわたり行い、運動機能、痛み、体幹筋に対する効果を調べました。

 

◆コアトレーニングに効果あり

研究の結果を以下に示します。

身体障害に対して、Oswestry Disability Index(P = 0.001、24.25 (7.08)から13.35 (4.17)へ)、 Roland Morris Disability Questionnaire (P = 0.001、15.55 (1.99) から8.15 (1.69)へ)[…]能動的下肢進展挙上などといった体幹安定性テスト (P = 0.001、7.40 (0.75)から2.15 (0.49)へ)といった結果がそれぞれ見られた。

この結果は、8週にわたるコアトレーニングが、運動機能、痛み、体幹筋力を統計学的に有意に改善したことを示しています。

研究グループは、「この研究は、腹壁をひく際、足関節の背屈を追加することで、慢性腰痛患者の身体障害、痛み、体幹安定性の面で、利点を増大させることの臨床的根拠を示している」と述べています。

 

腰痛に対する新たなトレーニング法として役立つか、今後の検証が期待されます。

 

執筆者

NK

参考文献

The effect of a novel core stabilization technique on managing patients with chronic low back pain: a randomized, controlled, experimenter-blinded study.

Clin Rehabil. 2014 May

[PMID: 24249843]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る