◆骨折に関連する食事を調査
76歳以上の女性1,188名を対象に、日常的な食事内容を調査し、摂取している食事や飲み物とそれに含まれるフラボノイド含有量を評価しました。
対象者について10年間にわたる追跡調査を行い、骨粗鬆症による骨折の発生と食事習慣の関連を検証しました。
◆10年間の追跡調査で、紅茶とフラボノイドが骨折に関連することが明らかに
以下の結果が得られました。
最も紅茶の摂取が少ない群(週に1カップ以下)と比べて、1日に3カップ以上消費している場合は、骨粗鬆症によるすべての骨折のリスクの30%減少と関連した(ハザード比0.70、95%信頼区間0.50-0.96)。
全フラボノイド摂取量(紅茶と食事から計算)が最も低い三分位の女性と比較して、最も高い三分位の女性では骨粗鬆症によるすべての骨折のリスク(ハザード比0.65、95%信頼区間0.47-0.88)[...]がより低かった。
紅茶を1日3杯以上飲むと、週に1杯以下飲む場合と比べて骨粗鬆症による骨折の危険性が30%低くなりました。また、紅茶や食事から摂取されたフラボノイドの量が全体の順位で上から3分の1の人は、下から3分の1の人よりも骨折の危険性が低い結果となりました。
フラボノイドには、骨密度を上げる効果があると言われています。もちろん、紅茶をよく飲む人はその背景に何かしらの生活習慣があり、フラボノイドではなくその生活習慣が骨折の危険性を減らしている可能性は否定できません。今後の検証が期待されます。
執筆者
Tea and flavonoid intake predict osteoporotic fracture risk in elderly Australian women: a prospective study.
Am J Clin Nutr. 2015 Aug 12
[PMID: 26269364]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。