2015.08.25 | ニュース

心筋梗塞後の機能の改善に太極拳が有効

ランダム化比較試験により検証

from American Heart Journal

心筋梗塞後の機能の改善に太極拳が有効 の写真

心筋梗塞が発症したあと、体力が落ちることがあります。ブラジルの研究班が、心筋梗塞後の患者に対して太極拳の有効性を検証し、最大酸素摂取量の改善に効果があったことを報告しました。

◆太極拳を行う群と対照群にランダムに振り分け

今回の研究は、心筋梗塞患者61名を、3週間の太極拳プログラムを受ける群と3週間の全身ストレッチを受ける群(対照群)にランダムに振り分け、太極拳の効果を検証しました。

 

◆太極拳を受けると最大酸素摂取量が改善

調査の結果、以下のことを報告しました。

12週間の研究期間後、太極拳群の参加者は最大酸素摂取量がベースラインから14%増大し(21.6±5.2から24.6±5.2ml/kg/分)、対照群の参加者では最大酸素摂取量に、有意ではない5%の減少が見られた(20.4±5.1から19.4±4.4ml/kg/分)。

2群間には有意差があった(P<0.0001)。

太極拳を行うと、体力の指標である最大酸素摂取量が改善しました。

筆者らは、「太極拳の実践は、最近心筋梗塞があった患者の最大酸素摂取量の増大と関連し、この患者集団に対して心臓リハビリテーションの有効な方法を構成しうる。」と述べています。

 

太極拳は無理のない負荷量で行うことができるため、心臓リハビリテーションとして有効なのかもしれません。しかし、病気のある方はひとりで行うことが危険な場合もありますので、医師への相談をおすすめします。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Tai Chi Chuan improves functional capacity after myocardial infarction: A randomized clinical trial.

Am Heart J. 2015 Jun

[PMID: 26027624]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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