◆集めたウイルスを試験
研究班は、2013年5月から2014年5月の間に集められた10,641株のインフルエンザウイルスについて、インフルエンザの主な治療薬であるオセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニナミビルの4種類のどれかに耐性があるかどうかを調べました。
◆北海道で見つかったウイルスに高度耐性あり
次の結果が得られました。
およそ2%(172株)が少なくとも1種のノイラミニダーゼ阻害薬に対して、多くはオセルタミビルに対して高度耐性を示し、0.3%(32株)が耐性を示した。
調べたウイルスのうちおよそ2%で、耐性の中でも特に強い高度耐性が見られました。また、次のように、高度耐性のあるウイルスの一部は、北海道で流行が見られたものでした。
2013年から2014年の期間中に試験された循環ウイルスのうちおよそ98%が4種類のノイラミニダーゼ阻害薬すべてに感受性だったが、H275Y置換のあるA(H1N1)pdm09ウイルスの大きなコミュニティクラスターが、日本の北海道で、以前に抗ウイルス薬曝露のない複数の患者から検出された。
薬剤耐性ウイルスは、ウイルスが自然に変異するなかでまれに生まれ、治療薬の不適切な使い方によって広がると考えられています。薬剤耐性ウイルスによって大きな問題が起きないようにするために、治療薬はどのように使うのがよいのか、またワクチンをどう使うかといった対策はよく考える必要があるのかもしれません。
執筆者
Global update on the susceptibility of human influenza viruses to neuraminidase inhibitors, 2013-2014.
Antiviral Res. 2015 May
[PMID: 25721488]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。