2015.08.05 | ニュース

副流煙に触れた子どもは肺炎で入院する期間が長い

アメリカ2,219人の観察研究

from The Journal of pediatrics

副流煙に触れた子どもは肺炎で入院する期間が長いの写真

喫煙は、喫煙者自身だけでなく、副流煙を吸うことになる家族にも影響があると考えられています。アメリカの研究で、肺炎で入院した子どものうち、家庭に2人以上喫煙者がいるときは入院が長く、集中治療を受ける場合が多かったことが報告されました。

◆肺炎で入院した子どもが対象

研究班は、研究に参加したアメリカの3か所の病院で、肺炎で入院した子どもを対象として、家庭に喫煙者がいるかどうかと、入院後の経過を調べました。

 

◆2人以上の喫煙者がいると入院が長い

解析から次の結果が得られました。

この研究の対象となった2,219人の子どものうち、副流煙の曝露は785人(35.4%)に報告され、うち325人(14.8%)は家庭に2人以上の喫煙者がいた。副流煙曝露のない子どもに比べて、家庭に2人以上の喫煙者がいる子どもは入院期間が長く(中央値70.4時間、曝露のない子どもで64.4時間、調整ハザード比0.85、95%信頼区間0.75-0.97)、集中治療を受ける場合がより多く(25.2%、曝露のない子どもで20.9%、調整オッズ比1.44、95%信頼区間1.05-1.96)、しかし機会的換気とは関連がなかった。

家庭に2人以上の喫煙者がいる子どもでは、入院期間が長く、集中治療を受ける場合が多い傾向が見られました。

研究班はこの結果が「この子どもたちは肺炎がより重症だったことを示唆する」と述べています。

 

ここで見られた違いが、副流煙による体の変化を反映しているとは必ずしも言い切れませんが、子どもの健康について気を付けることの参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Secondhand Smoke Exposure and Illness Severity among Children Hospitalized with Pneumonia.

J Pediatr. 2015 Jul 28 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26231828]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る