2015.08.04 | ニュース

1日3本以下の喫煙でも頭頸部癌は増加、喫煙歴の長さとも関係

23件4万5千人の観察研究から

from International journal of epidemiology

1日3本以下の喫煙でも頭頸部癌は増加、喫煙歴の長さとも関係の写真

喫煙は多くの種類のがんができやすくなる原因とされ、特に量が多いときは危険が大きいと考えられています。比較的少量の喫煙について、頭頚部がんの発症率との関連を統計解析したところ、1日3本以下の喫煙でも頭頚部がんが多くなっていました。

◆先行研究23件を統合

研究班は、これまでの頭頚部がんについての研究23件から参加者約4万5千人のデータを集め、そのうち1日あたり10本を超える喫煙があった人などを除いて、統合して統計解析を行いました。

 

◆1日3本以下でオッズ比1.52

解析から次の結果が得られました。

対象集団において、1日あたり0より多く3本以下のタバコを吸うことは頭頚部がんのリスクの50%増加と関連した(オッズ比1.52、95%信頼区間1.21-1.90)。

ただし、低頻度の喫煙に対して、頭頚部がんのリスク増加は、喫煙歴が20年よりも短い喫煙者の間では観察されなかった。

1日あたり3本以下の喫煙がある人で、頭頚部がんの増加が見られました。ただし、喫煙していた期間が20年よりも短い人の間では、少量の喫煙があっても頭頚部がんの増加は見られませんでした

 

喫煙による健康への影響は、禁煙で小さくなると考えられています。この研究の結果から、必ずしも短期間の喫煙なら影響がないとは言い切れませんが、喫煙歴の長さによる違いが表れているのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Low frequency of cigarette smoking and the risk of head and neck cancer in the INHANCE consortium pooled analysis.

Int J Epidemiol. 2015 Jul 30 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26228584]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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