2015.08.02 | ニュース

変形性膝関節症の患者にテーピングを行うと膝の運動能力が回復する

ランダム化比較試験により検証

from Physiotherapy theory and practice

変形性膝関節症の患者にテーピングを行うと膝の運動能力が回復するの写真

変形性膝関節症の症状のひとつに、膝を動かしにくくなることがあります。今回の研究では、変形性膝関節症患者の大腿四頭筋にキネシオテーピングを行うと、膝の動き、階段を昇る能力と痛みが改善することを報告しました。

◆キネシオテーピング群と偽テーピング群にランダムに振り分け

キネシオテーピングは、固定するテーピングとは異なり、その伸縮性を用いて筋肉や皮膚の伸縮、患部の治癒を補助する役割を持つテーピング手法です。

今回の研究では、40名の変形性膝関節症患者を、キネシオテーピングのテンションをかけて貼り付ける群と、伸張しない偽キネシオテーピング群にランダムに振り分け、膝を動かすときに発揮される力、階段を昇る能力、そのときの痛みへの効果を検証しました。

 

◆キネシオテーピング群で有意に改善

調査の結果、以下のことを報告しました。

コントロール群と比較して、実験群では、大腿四頭筋のピークトルク値(毎秒90度および120度の角速度における求心性トルクおよび遠心性トルク)、標準化階段昇段課題、痛みにおいて、効果量が大きく、有意な改善が認められた。

キネシオテーピング群では、偽キネシオテーピング群と比べて、筋肉が発揮する力や階段の動作能力、痛みに大きな改善が認められました。

 

以前にも、膝の痛みに対するテーピングの効果について記事を掲載しました。変形性膝関節症の患者さんでは、膝の痛みや動作障害で困っている方は多いと思います。今後も検証が進み、より効果的な治療方法が作り出されることを願います。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Efficacy of kinesio taping on isokinetic quadriceps torque in knee osteoarthritis: a double blinded randomized controlled study.

Physiother Theory Pract. 2014 Aug

[PMID: 24617598]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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