2015.08.02 | コラム

おむつかぶれで悩んでいる保護者の方へ〔小児科に行く前に〕

皮膚の再生を促すことで治ります!

おむつかぶれで悩んでいる保護者の方へ〔小児科に行く前に〕の写真

おむつかぶれは赤ちゃんにとってとてもストレスです。うんちやおしっこが出るたびに痛みが生じてしまうので、不機嫌になりがちです。早めに対処してあげることがとても重要になります。また、おむつかぶれを治そうと一生懸命に皮膚を拭き続け、皮膚に傷をつけている場合もあります。正しい対処法を知っておくとよいでしょう。

おむつかぶれはおむつの中の尿、便が皮膚に長く接していることが原因で生じます。荒れた皮膚に更に便や尿が接触すると炎症を悪化させます。その悪循環がおむつかぶれが治らない原因です。

まずはその悪循環を取るために、皮膚を保護し、皮膚の再生を促すようなケアをしてあげましょう。

 

◆どんな病気?

おむつの中の湿度が高くなると、皮膚が傷つきやすい状態となり、尿中の物質や便中の細菌などが炎症を引き起こしておむつかぶれになります。

また、蒸れた状態のままにしておくとカビが繁殖することもありますので、注意が必要です。

 

◆ケアはどうすればいいの?

まずは予防が第一で、こまめにおむつをかえて、お尻を清潔で乾燥した状態に保つことが大切です。特に便をしたときは、濡れタオルや濡らしたティッシュなどで汚れをふき取ったり、座浴やシャワーで洗い流し、お尻をよく乾かしてからおむつをつけるようにします。

お尻が汚れてしまったら、ぬるま湯で洗い流してあげて、柔らかい布で、ポンポンと水分を拭き取ってあげたり、ドライヤーの冷風で乾かしてあげるのが一番刺激が少ないでしょう。お風呂でお尻を沐浴させてあげるのが一番良いかとは思いますが、手間などを考えると、霧吹きにぬるま湯を入れ、吹きかけて洗い流すのも良いかもしれません。汚れを落とした後はしっかりと乾かしてあげてください。

 

◆おむつかぶれの治療

①おむつかぶれ部分に亜鉛華軟膏を塗り、便や尿がくっつかないようにする

亜鉛華軟膏という白い軟膏を患部にたっぷり塗り、便が皮膚にくっつかないようにしましょう。便が出たら、便をふきとり、白い軟膏が取れたところに再度軟膏を塗り、お尻全体が白い軟膏でカバーされる状態を保ちましょう。お風呂に入るときは、全て洗い流し、再度軟膏を塗ってください。3~4日続けると改善してくるでしょう。

②抗炎症作用のある非ステロイド系の塗り薬を使用する

炎症が強い場合は、非ステロイド系の抗炎症作用のある塗り薬を使用します。

③炎症が強い場合には短期間ステロイドを使用する

さらに炎症が強く、治りづらい場合には、ステロイドを短期間使用することもあります。

④カビが原因の場合にはカビに効く抗生剤の塗り薬を使用する

蒸れた場所にはカビが繁殖してしまう場合があります。おむつかぶれの部分にぽつぽつと赤みのある発疹ができている場合にはカビの感染の可能性もありますので、そのようなときは医師にご相談ください。

 

お子さんの皮膚のトラブルはよく起こります。日々のスキンケアが皮膚トラブルの予防と治療にとても重要です。

 

【編集部注】

この記事は、「キャップスクリニック」のサイトで公開中の記事をもとに作成しています。

http://www.caps-clinic.jp/forparents

執筆者

白岡 亮平

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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