◆肝硬変患者の検査データから
研究班は、肝硬変と診断された患者の間で、肝細胞がんがある人とない人の検査値を比較し、違いがあるものを調べました。
◆AFPとFIB-4に関連
統計解析から次の結果が得られました。
肝硬変のある患者1,356人が同定され、うち455人に肝細胞がんがあり(147人が早期)、901人には肝細胞がんがなかった。AFPが20ng/mLを超えること(オッズ比10.5、95%信頼区間7.9-13.9)、また肝線維症の非侵襲的マーカーであるFIB-4が(オッズ比1.06、95%信頼区間1.03-1.09)、肝細胞がんがあることと有意に関連していた。
血液の検査値のうち、肝細胞がんの検査としてすでに知られているAFPに加えて、FIB-4の値が肝細胞がんと関連していました。
研究班は「AFPとFIB-4を含むモデルは、肝硬変のある患者のうち、早期肝細胞がんがある人と肝細胞がんがない人を正確に区別することができる」と結論しています。
肝細胞がんの検査には画像検査などいくつかの方法があり、それぞれの特徴を生かすよう使い分けられています。血液検査の項目が増えることでどのような場合を診断しやすくなるのかは全体の中で考える必要があります。
うまく使い分けて肝細胞がんを早期発見することができれば、治療の結果改善につながるかもしれません。
執筆者
Development and Internal Validation of a Model for Early Detection of Hepatocellular Carcinoma in Patients WithCirrhosis.
J Clin Gastroenterol. 2015 Jun 25 [Epub ahead of print]
[PMID: 26125462]
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