◆ペースメーカー、ICDを入れていて突然死した人を解剖
研究班は、突然死した人でペースメーカーまたはICDを使っていた人を対象として、解剖により死因を詳しく調べました。
◆22人中11人に装置の問題
次の結果が得られました。
517人の突然死のうち22人(4.3%)で心臓の植え込み型電子機器が使われていた。解剖の結果、6人に心臓以外の死因が見つかった。ペースメーカーを使っていた突然死者の14人中6人、ICDを使っていた突然死者の8人中7人が心室頻拍または心室細動による死亡だった。装置の関連が半数(ペースメーカー4件、ICD7件)に同定され、そのうち3件に死に直結したと見られるハードウェアの故障(1件はバッテリーの早期枯渇とペーシング出力の突然の低下、2件はリード断裂)、5件にICDの心室細動不検出があった。1個のICDはプログラムの問題により心室細動を見逃した。1件では装置の選択が適切でなかった。ペースメーカー依存で肺炎があった1人の患者にはリード断裂の関連が見られた。
ペースメーカー、ICDを使っていた22人が対象となり、そのうち11人に装置の問題が見つかりました。見つかった問題として、
- バッテリーが切れていた
- 電気を伝える導線が切れていた
- 心室細動が起こっていたのに、ICDが感知しなかった
- プログラムに問題があった
- 患者に合わない種類の装置が使われていた
などがありました。
研究班は「現在の受動的なサーベイランスの努力では、装置の機能不良を少なく見積もる恐れがある」と述べています。
これらの問題を含めても、全体としてペースメーカーやICDは効果があるとされています。しかし、突然死を完全にゼロにできるわけではなく、まれにはこうした場合もありえるようです。
執筆者
Sudden Death in Patients With Cardiac Implantable Electronic Devices.
JAMA Intern Med. 2015 Jun 22 [Epub ahead of print]
[PMID: 26098676]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。