◆アメリカの大規模研究3件から
研究班は、アメリカの医療関係者を対象にした3件の大規模研究(対象者数はそれぞれ66,105人、85,104人、36,173人)の参加者について、果物の摂取量と2型糖尿病の発症に関連があるかどうかを統計解析によって調べました。
◆果物全体では減少、しかしフルーツジュースでは増加
解析から次の結果が得られました。
3,464,641人年のフォローアップのうちに、12,198人の参加者に2型糖尿病が発症した。糖尿病の個人的リスクファクター、生活習慣のリスクファクター、食生活のリスクファクターを調整したのち、果物全体で週当たり3回摂食が増えるごとに2型糖尿病のプールされたハザード比は0.98(95%信頼区間0.97から0.99)となった。
フルーツジュース消費については、同様の増加ごとにプールされたハザード比が1.08(1.05から1.11)となった。
果物全体としては、多く食べるほど2型糖尿病の発症が少ない傾向がありましたが、フルーツジュースは多く飲むほど2型糖尿病の発症が多い傾向がありました。
研究班は「特定の果物の消費量の増加は、特にブルーベリー、ブドウ、リンゴについては、2型糖尿病のリスクの減少と関連していた一方で、フルーツジュースの消費量増加はリスク増加と関連していた」とまとめています。
果物を食べるのと、フルーツジュースを飲むのとで何が違うのでしょうか。この論文が『BMJ』に掲載されたあと、ほかの媒体でもフルーツジュースと2型糖尿病の関連について調べた論文が発表されています。別途ご紹介する予定ですので、ぜひご期待ください!
執筆者
Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies.
BMJ. 2013 Aug 28
[PMID: 23990623]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。