◆フィンランドの1歳から4歳の子どもが対象
研究班は、フィンランドのある地域で2001年から2005年に生まれた1歳から4歳の子どものうち3,024人から、乳児期にペットがいたか、またペットアレルギーの診断があったかの情報を得ました。
◆飼っていたペットのアレルギーが多い
統計解析の結果、次の結果が得られました。
アレルギー試験の陽性所見の調整相対発生率は、犬だけを飼っていた家庭の子どもで犬に対して2.69(95%信頼区間1.45-5.02)、猫だけを飼っていた家庭の子どもで猫に対して5.03(2.47-10.2)だった。
犬だけを飼っていた家庭の子どもではアレルギー試験で犬のアレルギーの反応が2.69倍多く、猫だけを飼っていた家庭の子どもでは猫のアレルギーの反応が5.03倍多くなっていました。
研究班は「早い時期に犬と猫に家庭で触れることは、生後4年までの期間においてそれぞれのペットに対するアレルギーの発生増加と関連する」と結論しています。
家族の一員になるペットがアレルギーの原因になるのは辛いことです。もちろんこの研究だけからペットを飼うことでアレルギーが起こりやすくなるとは断定できませんし、一口にアレルギーと言っても症状の現れ方や重症度はさまざまです。そして、ペットを飼うかどうかは、健康のための理由だけでは決まらないでしょう。この研究は、ペットを飼うときにどんなことに気を付ければいいかの参考になるかもしれません。
みなさんは、子どもにペットのアレルギーが起こってしまったらどうしたいと思いますか?
執筆者
Dog and cat exposure and respective pet allergy in early childhood.
Pediatr Allergy Immunol. 2015 May
[PMID: 25735463]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。