◆治療された人の情報をさかのぼって調査
研究班は、広範囲の円形脱毛症に対してDPCP単独またはDPCPとアントラリンの併用で治療された患者の診療情報を統計解析し、アントラリンの併用による効果と安全性、また円形脱毛症の再発に違いがあるかを調べました。
◆併用で効果増
調査から次の結果が得られました。
47人の円形脱毛症患者(22人がDPCPのみで、25人がDPCPとアントラリンでそれぞれ少なくとも30週間治療された)が評価された。完全な毛髪の再成長はDPCP単独治療の人で36.4%、DPCPとアントラリン併用の人で72%に見られた(P=0.01)。毛髪再成長の維持期間は併用療法のほうが短かった(P=0.01)。
毛嚢炎、色素過剰、皮膚・毛髪・衣服の着色などの副作用は併用療法群でより多く見られた。
DPCPとアントラリンを併用した人のほうが、DPCPだけで治療された人よりも髪が完全に元通りになる割合は高くなっていました。
円形脱毛症に悩む人は少なくありませんが、有効な治療はいくつかあり、効果がよくないときの選択肢もこのように模索されつつあります。
執筆者
Efficacy and safety of diphenylcyclopropenone alone or in combination with anthralin in the treatment of chronicextensive alopecia areata: a retrospective case series.
J Am Acad Dermatol. 2015 Apr
[PMID: 25653027]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。