◆炎症性腸疾患と口腔がんの関連は?
炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎とクローン病という、胃や腸に炎症を起こす病気の総称です。 今回の研究では、炎症性腸疾患の患者7,294人の情報をもとに、炎症性腸疾患と口腔がんの関連性を検証しました。
◆炎症性腸疾患の人では口腔がんになりやすい!?
以下の結果が得られました。
年齢と性別で調整した炎症性腸疾患の患者における口腔がんの標準化発生比は、9.77(95%信頼区間5.14-16.98)であった。
炎症性腸疾患の人では、口腔がんを発症する確率は9.77倍という結果でした。同様に舌がんを検証すると、その確率は18.91倍でした。
炎症性腸疾患と口腔がんの直接的な関連性は不明です。炎症の原因となる背景が口腔がんを発症する背景と共通しているのかもしれません。しかし、このような共通した背景から病気の解明に至る可能性もあるため、今後に期待します。
執筆者
Increased Risk of Oral Cancer in Patients With Inflammatory Bowel Diseases.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Oct 20
[PMID: 26499929]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。