2015.11.21 | ニュース

うつがない人の食事はどうなっていたか?

オーストラリア7,877人の女性を9年追跡

from European journal of nutrition

うつがない人の食事はどうなっていたか?の写真

うつ症状はさまざまな背景から起こります。オーストラリアの女性を対象にした追跡調査をもとに、食事の質とうつの関連について調べた結果が報告されました。

◆食事の質とうつの関連を解析

研究班は、7,877人の女性を9年にわたって追跡調査したデータを使い、食事の質と、うつ症状が現れる頻度の関連を調べました。

食事の質はオーストラリア推奨食品スコアという方式で評価しました。このスコアは、野菜の種類を多く食べることや、肉を食べる頻度が適度であることを高く評価します。

 

◆食事の質が高い人でうつが少ない

次の結果が得られました。

食事の質が最も高い三分位群は、うつ症状のオッズのわずかな低下と関連した(オッズ比0.94、95%信頼区間0.83-1.00、P=0.049)。ただし、三分位群で一貫した有意な線形トレンドは観察されなかった(オッズ比1.00、95%信頼区間0.94-1.10、P=0.48)。

食事の質が最も高いグループの人では、うつ症状が少なくなっていました

研究班は「質の良い食事を長期間維持することはうつ症状のオッズ減少と関連するかもしれない」と述べています。

 

栄養バランスによって精神に影響があったとも考えられるほか、バランスのよい食事ができる生活が精神面でも健康的だった可能性も考えられます。どちらにしても、質の高い食事は全体として良いことと言えるのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Prospective study on the association between diet quality and depression in mid-aged women over 9 years.

Eur J Nutr. 2015 Oct 17 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26475141]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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