◆患者を調べるとどんな細菌・ウイルスが見られるか?
肺炎などの感染症の治療は、病原体によって違います。特に、抗菌薬(抗生物質)は細菌の感染には使えますが、ウイルスの感染に対しては効果がないとされています。細菌の中でも肺炎球菌やマイコプラズマなど、種類を見分けることが重要です。
今回の研究では、呼吸器感染症で受診し、びまん性急性感染性細気管支炎または肺炎の診断を受けた1,664人を対象に分析しました。
◆びまん性急性感染性細気管支炎の4割がマイコプラズマ
以下の結果が得られました。
見つかった病原体は、マイコプラズマ・ニューモニエが8例(40.0%)、インフルエンザウイルスが2例(10.0%)、インフルエンザウイルスと肺炎球菌が2例(10.0%)、インフルエンザ菌が3例(15.0%)、RSウイルスとライノウイルスが1例(5.0%)の患者で見られた。
びまん性急性感染性細気管支炎の原因が同定できたもののうち、マイコプラズマは40%に、その他にはインフルエンザウイルスなどが見られました。
呼吸器系の症状が見られると、冬場はインフルエンザが頭に浮かぶかもしれませんが、マイコプラズマが原因の感染症も頻度が高いことで知られています。こうした研究は、より素早く的確な診断を下し、病原体に合った治療を選ぶために役に立つかもしれません。
執筆者
Etiology and Outcome of Diffuse Acute Infectious Bronchiolitis in Adults.
Ann Am Thorac Soc. 2015 Nov 2
[PMID: 26524622]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。