2015.10.17 | ニュース

マイコプラズマ肺炎の子どもが早く退院できた治療とは?

ランダム化比較試験により検証

from Journal of tropical pediatrics

マイコプラズマ肺炎の子どもが早く退院できた治療とは? の写真

かぜ、インフルエンザと同様に咳や発熱の症状を起こす病気に、マイコプラズマ肺炎があります。今回の研究は、子どものマイコプラズマ肺炎の早期治療として、ステロイド薬による症状の改善を報告しました。

◆ステロイド薬で入院24時間以内に治療する群と対照群にランダムに振り分け

ステロイド薬の飲み薬は、炎症を抑えるなど様々な効果が報告されている一方で、副作用も見られる薬です。糖尿病、骨粗しょう症、白内障などを起こす恐れがあると言われ、必要な場合にだけ、副作用に注意しながら使われます。 子どものマイコプラズマ肺炎の治療にステロイド薬が有効とする報告が以前にあり、この研究では、ステロイド薬を使い始める時期によって違いがあるかを調べました。

今回の研究は、マイコプラズマ肺炎で入院した6歳前後の患者106人を、マクロライド系抗菌薬などによる治療に加え、入院から24時間以内にステロイド薬で治療する群と、72時間後にステロイド薬を使う群にランダムに振り分けました。

 

◆早期にステロイド薬で治療すると、発熱期間と在院日数が短縮

以下の結果が得られました。

ケース群では、発熱期間(6日[範囲5-11] vs 10日[範囲8-23]、p<0.001)と在院日数(8日[範囲5-15] vs 10日[5-21]、p=0.001)がより短くなった。

入院から24時間以内にステロイド薬で治療を行うと、発熱期間と在院日数が短くなるという結果でした。副作用に関係することとして、1人がステロイド薬を急にやめたために再び発熱が起こって入院しました。

 

マイコプラズマ肺炎は健康な子どもにも起こります。重症の場合に適切な治療法が検討されることによって、より効果的に治療する役に立つかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Early treatment with corticosteroids in patients with Mycoplasma pneumoniae pneumonia: a randomized clinical trial.

J Trop Pediatr. 2014 Oct

[PMID: 24710342]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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