2015.08.03 | ニュース

嚢胞性線維症の呼吸機能が非侵襲的換気で改善した

40人のランダム化試験

from Journal of physiotherapy

嚢胞性線維症の呼吸機能が非侵襲的換気で改善したの写真

嚢胞性線維症はまれな遺伝性疾患で、多くは乳児期に発症し、繰り返す肺炎など全身に異常が表れ、若い年齢で死に至ることも多く、治療は対症療法にとどまります。呼吸機能低下に対して非侵襲的換気を使った研究から、呼吸機能の改善が報告されました。

◆肺症状のある成人患者が対象

研究班は、重症の嚢胞性線維症がある成人患者で、肺の症状の悪化のため入院した人40人を、マスクなどを使って呼吸を助ける非侵襲的換気の治療を行うグループ(試験群)と、非侵襲的換気以外の通常の治療を行うグループ(対照群)にランダムに分けて治療しました。

 

◆退院時の1秒量に差があった

次の結果が得られました。

[...]試験群は対照群よりも退院時の1秒量が有意に高くなっていた(平均差は予測値の4.2%、95%信頼区間0.1-8.3)。

非侵襲的換気を行った試験群で、退院時の呼吸機能が対照群よりも高くなっていました

 

嚢胞性線維症の根治療法は知られておらず、さまざまな臓器に起こる異常に対しての治療が探られています。より効果の高い治療によって生存期間を改善する方法が望まれます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Non-invasive ventilation used as an adjunct to airway clearance treatments improves lung function during an acute exacerbation of cystic fibrosis: a randomised trial.

J Physiother. 2015 Jul

 

[PMID: 26096013]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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