鎮咳・去痰薬
咳を抑え、痰を吐き出しやすくするなどにより気管支炎などによる呼吸器症状を和らげる薬
同義語:
去痰剤

鎮咳・去痰薬の解説

鎮咳・去痰薬の効果と作用機序

  • 咳を抑え、痰を吐き出しやすくするなどにより気管支炎などによる呼吸器症状を和らげる薬
    • 咳はウイルスなどの異物や異物をからめとった痰を体外に排出しやすくなる生体防御反応
    • 咳によって体力の消耗、不眠など体への負担が増す場合もある
    • 本剤は咳を抑える鎮咳作用と痰を排出しやすくする去痰作用をあらわす

鎮咳・去痰薬の薬理作用

咳は肺などを守るために外から入ってきたほこり、ウイルスなどの異物を気道から追い出す防御反応であり、これら異物を感知し脳の咳中枢に刺激が伝わることで呼吸をおこす筋肉に指令が送られ咳が起こる。

気道にある粘液はウイルスや細菌をからめとり痰となるが、この痰は気道粘膜にある細かい毛(線毛)の運動と咳によって体外に排出される。

この様に咳は生体防御反応として重要であるが、一方で咳によって体力の消耗や不眠などをおこしたり、慢性的に咳が続くことで咳喘息などがおこる場合もある。

本剤は咳を鎮める鎮咳作用と痰の粘液溶解作用などにより痰を排出しやすくする去痰作用を合わせもち、気管支炎などによる呼吸器症状を緩和する作用をあらわす。なお、本剤の中には生薬成分を含有する薬剤もあり、薬剤毎それぞれの作用により鎮咳及び去痰作用をあらわす。

鎮咳・去痰薬の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 食欲不振、吐き気、下痢などがあらわれる可能性がある

鎮咳・去痰薬の一般的な商品とその特徴

レスプレン

  • 主な作用に関して
    • 咳の中枢へ作用し咳中枢の興奮を抑えることで鎮咳作用をあらわす
    • 気道分泌液増加作用と粘液溶解作用などにより痰を排出しやすくする

アスベリン

  • 主な作用に関して
    • 咳の中枢を抑制することで鎮咳作用をあらわす
    • 気道粘膜にある線毛の運動を亢進させることで去痰作用をあらわす
  • 錠剤、散剤、ドライシロップ剤、シロップ剤とあり、用途などに合わせて選択が可能

サリパラ液

  • 生薬の桜皮(オウヒ)エキス製剤
    • 気管支の蠕動運動を促進作用や気道粘膜の分泌を高め、痰をうすめる作用をあらわすとされる