腹腔鏡手術
最終更新: 2018.03.06

手術時間や侵襲性からみた腹腔鏡手術のメリット・デメリットとは?

近年、腹腔鏡を用いた手術はさまざまな状況で行われるようになっています。胆石症に対する胆嚢摘出術(胆摘)、大腸がんに対する結腸切除術など、多くの病気に対して腹腔鏡を用いた手術が選択可能となっています。このページでは手術時間や侵襲性(身体を傷付ける程度)からみた腹腔鏡手術のメリットとデメリットについて紹介します。

腹腔鏡手術のメリット

腹腔鏡手術のメリットとして以下のものがあげられます。

  • 傷が小さい
  • 術後の回復が早い

つまり大まかに言って、患者さんの身体への負担が軽く済む手術ということになります。

ただし、必ずしも患者さんにとって良いことばかりではありません。次にデメリットを説明します。

腹腔鏡手術のデメリット

腹腔鏡手術の手術時間は開腹手術と比べると一般的に長くなることが多いです。その間、手術そのものや麻酔による負担が身体にかかっていることになります。

腹腔鏡手術を行うためには、腹腔内に二酸化炭素のガスを入れておなかを膨らませます。ガスが皮膚の下の脂肪などに入り込む皮下気腫という合併症は、開腹手術では起こりませんが、腹腔鏡手術では起こることがあり、デメリットの1つと言えます。

また、開腹手術よりも腹腔鏡下手術のほうが一般的に手術の難易度が上がります。そのため、治療しようとする臓器などによっては、高度な技術を持った医師でなければ腹腔鏡下手術を行えない場合もあります。

以上の点から、腹腔鏡の手術はすべていいことずくめではない事もわかったうえで担当の先生と相談し手術方法を決めることが大切です。